忍者ブログ
青山OL期間が ~6月30日 になりました
2026/06
< 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


桃青桃小話メモ:
①お弁当、箸忘れる、じゃんけん、おにぎり 
②春先、屋上、昼寝、くしゃみ 
③ボールがぶっとんで非常灯クラッシュ、逃亡、隠れる、空腹




【①学校の屋上的非日常、自宅の居間的日常】

 

「あ」
「ん?」
「箸、入れ忘れた」
「バカかよ」
「…。別にバカにしてもいいけど、昼飯食べられないぞ、このままじゃ」

学校の屋上の給水塔。の、影の部分。
スポーツタオルを3枚詰めた鞄を枕に青峰は寝ていた。
桃井は母と作った2人分の弁当を手にしていた。

5月とはいえ日差しが暑い。
元々肌が黒くて暑さに強そうに見える青峰は、実際のところ暑さを極端に厭う。
夏の屋外でのバスケはするくせに、太陽の日差しの下でじっとしているのが耐えられないのだそうだ。
桃井はそれを見ながら、どんなときだってじっとしてるのは苦手だろうに、と思うが、
小理屈をこねられて喜ぶ男ではないとよく知っている。
桃井自身もそんな青峰の矛盾をつつこうとは思わない。
気だるげな青峰は見慣れているし、むしろそんな青峰を見ていることが桃井の日常である。

「青峰くん、食堂で箸貰って来てよ」
「なんでオレが」
「じゃあジャンケン」
「ァあ…?」
「じゃーんけーん、ぽん」

ぽん、

と出された色の黒い手はグーで色の白い手はチョキ。
桃井の負けである。

「うっわ、めんどくさ…」
「人に面倒事を押し付けようとしてんじゃねぇよ」
「だって青峰くんのが足速いじゃないか。食堂1階だよ」
「早く行け」
「もー…。手掴みで食べたりとかしないで待っててよ」

た、と桃井は階段に消えた。
桃井の足音が聞こえなくなると、青峰は起き上がって桃井の鞄を開いて弁当を取り出した。
おかずの入ったタッパーとおにぎりが入ったタッパー。
おにぎりには赤や青や緑のシールが貼られている。
まよわず青のおにぎりを取って、食べた。肉味噌おにぎりである。
迷わず青いシールのおにぎりを2つ3つ食べた頃、桃井が帰ってきた。

「あ!先に食べてる!」
「おにぎりだからいいだろ。ラップかかってるし」
「だめだよ!ていうかお手拭入ってるんだから手くらい拭こうよ!ほら、」

桃井は鞄の中からお手拭を出して青峰に渡した。
青峰は何を言うでもなく手を拭く。

箸2膳。
タッパーを挟んで青峰の向かいに座って、桃井は手を合わせた。

「いただきます」
「ん、」
「青峰くん、いただきますは?」
「ます」

青峰はから揚げを、桃井はしょうゆの卵焼きから手をつけた。
黙々と食べる。
日陰に吹き込む、少し乾いた風が心地いい。
野菜も食べなきゃ駄目だよと言いかけて桃井はやめた。
まるで家に2人でいるときのようである。

そういえば家の外で2人で食事を摂るのは久しぶりだ、と桃井も青峰もそれぞれに思った。
いつも喧しい部活の連中の姿がない。

「みんな今日はお弁当ないから食堂行ったよ」
「いつもこれくらい静かならいいんだけどな」
「まあ…あっ肉味噌あと一個しかない!」
「残念だったな。家帰ってから食え」

ひょい、と青峰は青いシールのおにぎりを手に取った。

「あ、あー!最後のいっこ!」
「梅とたらこあるからいいだろ」
「梅とたらこも好きだけどさー…肉味噌…」
「さつき、お茶」
「うん」

恨み言を呟きながらお茶をカップに入れて青峰に渡した。
少し考えてから、桃井は緑のシールのおにぎりを取った。

(今日青峰くんは帰ったら何が食べたいって言うかな)

そんなことを思いながら、桃井自身は肉味噌に思いを馳せていた。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
05 2026/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
リンク
プロフィール
HN:
jack
性別:
非公開
自己紹介:
site name[SPADE ELEVEN]; site adress[http://s11.ni-3.net]; master[jack]; love[Ace, Coffee, ...etc];
*御用の際はweb clapをご利用下さい*
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]