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絵本的な
絵かいてないけど
【あさのおはか】
キィコは朝のお墓が好きでした
木々に囲まれた、広いお墓
朝の澄んだ空気と霧の匂い
光が葉っぱに当たってキラキラ光る
誰もいない、キィコだけの場所
誰もいない?
人間はキィコだけ
でもオバケはいっぱい
姿かたちのはっきりとしたのもいれば
手や髪の毛しか見えないのもいました
みんなキィコの友達です
キィコは毎朝お墓を通って学校へ行きました
ある日、お母さんがキィコを叱りました
「一人でお墓なんかに行ってはいけません!」
お母さんはお墓を通らずに
毎朝キィコ一緒に登校するようになりました
キィコはお墓に行けなくなりました
オバケとも会えません
キィコは毎朝お母さんに
「どうしてみんなと同じに出来ないの!」
と言われました
キィコは毎日学校の友達の
「学校って退屈、先生って嫌い」
という言葉を聞きました
キィコは毎日学校が終わったら家に帰って
「ぜんぜん、楽しくない」
と呟きました
ある日、キィコは学校の帰りに
こっそりお墓に行きました
お墓は静かで、暗くて、寂しい場所になっていました
オバケの友達は誰もいません
「こんなの、私が好きなお墓じゃない!」
キィコはばたばたと足を踏み鳴らしました
ふと、足元を見るとこんな文字が書かれています
『おかたずけ』
キィコはお家へ帰りました
キィコの部屋は散らかり放題
『おかたずけ』の文字を思い出して
キィコは片づけを始めました
お部屋を片付けた次の日の学校のあと
キィコはまたお墓に行きました
お墓は、誰もいない、寂しいままです
でも、地面の文字が変わっていました
『あいさつ』
キィコはお家へ帰りました
お母さんが台所でご飯を作っています
キィコは「ただいま」を言いました
お母さんはびっくりした顔で
「おかえりなさい」と言いました
お母さんにただいまを言った次の日の学校のあと
キィコはまたお墓に行きました
お墓は誰もいない、寂しいままです
また、地面の文字が変わっていました
『はやね はやおき』
キィコはご飯を食べた後
お片づけをして早く寝ました
それはもう、早く
お父さんとお母さんに「おやすみなさい」を言って
夜の8時にお布団に入りました
早く寝た次の日の朝、お日さまが昇る前
キィコはこっそりと家を出てお墓に行きました
お墓はやっぱり誰もいませんでしたが、
もう寂しくありませんでした
お日さまがキラキラして
緑の葉っぱもキラキラして
霧に濡れた墓石もキラキラして
オバケには会えませんでした
足元の文字もありませんでした
キィコはキラキラした世界で
大きく息を吸って
ニコニコと「おはよう」を言って笑いました